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歴史を変えた豪州政治家の失脚


8月21日の土曜日、ここオーストラリアでは次の首相

を決めるのに重要な選挙が行われた。 


結果はトニー・アボット氏が率いる自由党(Liberal)

が僅差で勝利したというものであった。 

話はここで終わらず、僅差で選挙が終了したためどちらが与党

になるかを選ぶのに(つなわち首相を選ぶ)、

通常は“かやの外”にいるはずの弱小政治団体がカギを握る

という状態になっている。

ようするに首相を決めるのに、この間、初の女性首相として話題

を呼んだジュリー・ギラード氏が率いる労働党(Labour)

と自由党の2大政党の票だけではどちらの党が与党になるか

を決めるのには足りず、人数が数人しかいない政党

がどちらにつくかで結果が決まるという状況になっているのだ。 


ここまで聞くとさぞかし白熱した選挙のように見えるかもしれないが、

実は多くのオーストラリア人は今回の選挙というより最近の政治

に失望しているようである。

ネットやメディアの調査ではだいたい70%前後の人が再選

を望んでいるらしい。 

おそらく事の始まりは前首相ケビン・ラッド氏の失脚から

始まるであろう。彼の失脚の“おかげ”で初の女性首相という

話題を作ったが、その彼の失脚のおかげで、

まだ完全には消えてないが、消えかかっている

Mining Tax(炭鉱税)案が今後のオーストラリアの歴史

を変える重大な出来事だったと思う。



このMining Tax(炭鉱税)案というのは、

オーストラリアの3大産業の1つ炭鉱業の大手会社から

“よけいな税金”を払ってもらうというものである。


この不景気な世の中でもオーストラリア経済安定を支えている

炭鉱業、よけいな税金を払う余裕はあると思うのだが、

もちろん炭鉱関連会社はほとんど大反発である。 


この案を周りの政治からともうまくまとめきれなかった

ケビン・ラッド氏は結局失脚してしまったが、

この案、この先40年、50年という長い目で見るととても理論

の通った良い案だったと思う。 


更に言うならここまで先を見据えた考え方が英語を話す

白人から出てきたのは本当に驚きであった。 



この案の内容は、資源国であるオーストラリアの将来を考えて、

今儲かっているうちに余計に税金をまきあげておき、

いずれは枯れるであろう資源が尽きた際の“緊急予備金”

として保存しておく為のものである。 

いままでの英語圏の白人政治家がここまで先を見据えて物

を言う人がいたであろうか。しかもオーストラリアでである。 


この先、オーストラリアは資源がなくなったらどう生きてゆく

つもりなのであろうか。日本は資源がほとんどない国ではあるが、

国際市場で戦える“商品”がある。

しかし、オーストラリアブランドでそれはない。 

3大産業の他の2つ、教育(留学生相手の大学・英語教育)

と観光だって将来どうなっているかはわからない。 

現に教育は最近の移民法改正によりこれまでアメリカから流れてきた

留学生は、ほとんど帰国してしまったか、

新たに窓を開こうとしているカナダに流れている。


今回の首相がどう移民法を変えるかによってオーストラリア

の教育ビジネスは生きるか・死ぬかの瀬戸際だと思う。

私はおそらく5年以内にすたれると思う。 


同じように観光業だってオーストラリアの観光地として世界的

に有名なゴールドコーストは以前、日本人の観光地としてもとても

有名であった。しかしついこの間までそれが中国人観光客

に取って代わり、それが今、アラビア人に代わろうとしている。


要するに経済上昇とともに増えた中国人だが景気発展が緩和になる

と観光客の数も以前ほど増えなくなり、“好調な”オイルマネー

が最後に残ったという訳だ。 

そしてそのオイルマネーだってオーストラリアの資源と同様、

“いつかは枯れる”であろうに。 

そうなるとオーストラリアはどうなるのであろうか。



そして、歴史を変えた豪州政治家の失脚としてもう1つの事実

を挙げたい。 

リサーチ不足で政治家の名前をつかむことができず恐縮だが、

時は60,70年代の話。 ある政治家がオーストラリア大陸

の真ん中に大きな川を建設する計画を建てたそうな。 



みなさんは、なんでオーストラリアの主要都市が西側

に偏っているかご存知ですか? 

アメリカはNY, LA、テキサス、シカゴなどあちこちに主要都市

がちらばっていますがオーストラリアは西側にきれいに

固まっている。 その理由は“水”である。 


オーストラリア大陸の内陸部には主要都市や経済を支えるだけの

大きな川がないのです。 それがために海に近い場所に都市

が発展してしまったという歴史なのですが、

これに立ち向かう為に、立ち上がった政治家がいたのでした。 


彼はまさにこの問題を理解し、将来のオーストラリアの発展

を願い、大陸内部に川を建設し、アメリカのように主要都市

を各地につくる計画を発表したのでした。 

どういうように彼がプレゼンを行ったのかは知りませんが、

少なかれ“アメリカの例”を出したのかもしれません。 

私の予想にでしかありませんが、この「アメリカのように」

という言葉を当時というより、今もオーストラリア人は好みません。 

アメリカ人をよく思わないオーストラリア人にアメリカを良い例

として挙げるのは筋違いでしょう。 

それがあったのかはわかりませんが、彼の案は通らず、

彼は失脚してしまいました。


この案が通っていてオーストラリア大陸に大きな川が流れていれば、

オーストラリアの歴史に安定的な人口増加や経済発展をみること

が出来た事でしょう。


ケビン・ラッド氏を良い政治家とは思いませんが、

彼のMining Tax案はとても良いものだと思います。 

「良い政治家が当選する」とはいかないのはどこの国でも

同じでしょうが、いくら“信用ができない政治家達”とは言えども

“歴史を変える事ができた”政治家は少なからずしともいる

と思います。 


今回のオーストラリアの選挙の結果がオーストラリア

の歴史を左右する事はないでしょうが、Mining Taxの結果

がどうなったかみなさん、きちんとみておいてください。 


必ず40,50年後のオーストラリアの歴史を変えている

大きな要素ですから。


# by boeing747taka | 2010-08-31 19:20 | ありえねぇオージーニュース
Book Review: 「機長の集中力」 by 小林宏之


Book Review: 「機長の集中力」 by 小林宏之_f0085370_19332590.jpg








先月、日本からある本が送られてきた。 

その本についてのBook Reviewを。


おすすめの1冊です。 どうぞ、読んでみてください。

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「あたり前の事をあたり前にやる」そんな簡単で誰にでもでき、

何の資格もいらない事だが、この地球上、はたして何人の人が“日常的”

にできるであろうか。 筆者である小林機長はなんとそれを42年間、無欠勤

という“おまけ”まで付けて成し遂げたのである。 

ケガをしようが体調が悪かろうが何がなんでも仕事に行き、

事をやり遂げる、それをするにはどうすればよいか。


筆者が常に心がけていた事であり、

それが彼の仕事に対する姿勢となって現れている

からこそできた快挙であろう。


本書では仕事への集中力の付け方をメインとし、

体調管理など仕事に対しての姿勢について書かれている。 


読んでいて何も新しい事は無いがおのずと

うなずいてしまうところに「あたり前の事をあたり前にやる」事

ができる人が言える事なのであろう。 

集中力は訓練によりつける事ができ、それは「捨てる技術」とある。 

いままでの集中力とは、一点を見つめて心を無にする事

と思っていたのでこんな違った見方があるのかととても感動を覚えた。 


そしてそれを習慣とする。 

これもまた、「あたり前の事をあたり前にやる」事であり、

“凡人”にはできない事だが、挑戦する事によりできる事であろう。 


最後に、筆者が「パイロットという職業が好きで好きでたまらなくなり、

飛べるということにだけで本当に幸せでした。

これこそ、自分の天職だと感じるようになりました。

生まれ変わったとしても、また、パイロットになりたいと思っています。」

とこの本の最後の箇所で記している。 


いくら、パイロットという職業が花形職業とはいえ、

定年を迎えてこのような発言ができる人は

いったい何人いるのであろうか。 


そして、それを言えるくらいのすばらしいキャリアを歩めた事がとても

うらやましいかぎりである。 

(もちろん、それは彼の努力であった事は言うまでもないが。)




# by boeing747taka | 2010-05-20 19:33 | 番外編:コクピットから見る世界
スーパースターが沈む時


 先月の話になるが、今年のスポーツ界のビックニュースである多数の女性

との不倫騒動の為に試合出場を自粛していたタイガー・ウッズがマスターズ

にて復帰した。 正直、彼が“あんな事”をしでかすなんて思いもしなかった。

プロとして見ても、彼の強靭なる精神力やゴルフに対する姿勢は、

さすがはスーパースターと言いたくなるほどのものであったし、

性格や態度を見ても“そんなやつ”には見えなかった。

あるメディアの報道によれば、「“彼ほどの”プレッシャーの中

で生きていると精神的におかしくなり、性欲が増し“ああいう事”

をしてしまう」など理解に苦しむ解説があったが、心理学者

がどう言おうが“ろくでなし男”のやる事としか私は表現しない。 


彼が試合に復帰した事に関しては賛否両道であったが、

試合が始まる前までは私の予想では、優勝か上位3位以内であった。 


なぜかと言うと彼の闘争心と精神力は並大抵のものではない。

タイ人の母親の影響であろうか、仏教を信仰しているらしく

(でも不倫? しかもあんなに大勢?(笑))、考え方も仏教から

来ているらしいが、今でもタイガー・ウッズの出来事と言えば、

まだ彼がアマチュアだった頃、全米アマ選手権などの決勝

やプロになったばかりの頃、黒人である彼に人種差別をしている

アホが脅迫の電話や手紙を送ったりもしていた。

一時期、警備員に囲まれてゴルフをしていた時期

もあったくらいである。そんな状況もものとせず、

彼は勝ちまくった。 あの状況であのパフォーマンス、

絶対に他人には真似ができない事であろう。 


そんな彼であるから、今回も”そんな事はものとせず

“タイガー・ショットを炸裂するのかと思ったら、

やはりというのか、彼も人間だったというのか、マスターズ

の結果は4位タイという数字だけでは、すばらしい結果

ではあったがTVで彼のプレーを見ていて、

「何かが狂い始めている」と感じたのは私だけであろうか。 


ドライバーやアイアンなどのショットだけを見れば、

調整不足が7:メンタルの影響が3の割合で勝て

なかったと思う。 しかし、グリーン周りや、肝心のグリーン上

でのパットを見ていると、”スーパースターが転落する姿“

を見ているようで仕方がなかった。 


アメリカで3流プロで終わった私も経験した事であるが、

プロゴルファー、プロの試合で稼いだ賞金だけで生活

ができなくなったと感じる瞬間はグリーン上で感じる。


体が動けば、体にあった道具を使えば(悪く言うとごまかし)

ウッドだってアイアンだってそれなりの球は打てる。 

しかし、グリーン上だけはどうやったってごまかせない。

どんなに金を掛けたパターで打っても、どんなカスタムメイド

のパターで打っても入らなくなるのである。 


その入らない理由は2つある。 「ピントが定まらなくなった目」

か「崩れた心」である。 目は年齢的か身体的な問題で視力

が落ちたり乱視などの影響でグリーンの傾斜が”プロレベル“

で読めなくなる事である。 メガネ、コンタクト、又は最近はやり

のレーシックなどで矯正できるうちは良い。 

それをやって日常生活には影響がなくても、グリーン上

でプロレベルで芝生が読めなくなったとき、それは、

舵取りができなくなった船のように無残なものである。


そして、もう一つの理由、一流プロだってこの理由で転落している、

「崩れた心」である。プロゴルファーだって人間、恋愛もすれば

失恋もする。好きな人にふられたくらいならまだしも、

結婚した相手との問題や離婚問題にまでなると少なからずしとも

使途も試合に影響してくる。 そしてその問題が大きくなるとグリーン上

にまで影響してくる。 


ゴルフをやる人ならトム・ワトソンという選手を知っているだろう。 

現在、60歳前後の彼はあの帝王ジャック・二クラスと並んでかつての

スーパースターであった。タイガー・ウッズが記録を破るまで1年

で2度以上のメジャーに勝ったという記録を持っていた。 


が、ある年を境にまるで勝てなくなった。 もっと細かく言うと”パット

が入らなくなった。“ あれこれと違うパターやパッティングスタイル

を試行錯誤している姿を見ると少々同情もしたくなるほどであったが、

その”ある年“とは、彼が離婚した年であった。

あまりプライベートな事をメディアにもらさない彼であった

がその離婚がゴルフにも影響しているのは一目瞭然であった。 

グリーン上の彼、ラインを読んでいる際の目つきが依然とは

別人であった。 そして、しばらくして再婚をし、それを機

に調子も上がり現在ではシニアツアーにて活躍したり、

去年の全英オープンでは59歳の彼があわや優勝

かという活躍まで見せた。 


今回のマスターズでのタイガーのグリーン上での姿、

あきらかに“いつもの”タイガーではなかった。

いくらタイガーだって3パットはするがその仕方が

今回はまるで別人であった。 


今回の彼、上記のトム・ワトソンの時のように結婚問題

に悩んでいる男の姿に見えてならなかった。 

調子が良い時のタイガーのパットと見比べてもらいたい。 

調子が良いときは球がすーと伸びて、それこそ最後まで

入るかどうか分からないような勢いで転がってくる。 

が、今回のタイガーの球は打った瞬間にはずれると

分かるほどの勢いのない球であった。  


何番ホールか忘れてしまったが、1メートルもない簡単

にちょんと決めれそうなくらいの距離のパットを、

ありえないイージーミスにての3パットがあった。 


あれを見た瞬間、“スーパースターが沈んでゆく瞬間"

に見えて仕方がなかった。 もちろんタイガーほどの選手

がこのままずるずる沈み消えてゆくとうい事

はないであろうが、”何か突破口となる理由“

がないと以前のような姿になるのは

難しいような気がする。 


しかし、それが新しいガールフレンド、ましては再婚

が理由にならない事を祈る。 


それでは、「また振り出しに戻る」ではないか。(笑)  



# by boeing747taka | 2010-05-13 19:59 | 番外編:コクピットから見る世界
PCと携帯電話がなくなる日


アメリカ時間の4月3日(土曜日)ついにあの話題の

”iPad”がアップルストアーなどで販売を開始した。 

今回購入できるのは事前に予約を取っておいた人のみだったので

そんなに混雑もなく事を終えたようである。 

それでも毎度の事、“徹夜組”がでていたようであるが。 

(注:この徹夜してまで並んで何かを買うというのは

日本ではおなじみであろうが、アメリカでは“異常”な事である。

その異常な事をおなじみにしてしまった

アップルの市場の影響力というのはすごいと関心するばかりである。)



さてこのiPad、みなさんも写真で見たことがあると思うが、

はやく言えば最近のiPod touchを大きくして

PC機能を付けたようなものである。 


PCであるのにキーボードやマウスは付いていなく

(アクセサリーとしてあるようであるが)

必要に応じて画面にキーボードが出てくる。 

実はこのタッチスクリーンタイプのPCが市場に出回るのは今回

が初めてではない。日本のメーカーが同様のPC

を何年か前に発売していて売れずに撤退していたとうニュース

を聞いて驚いた。 電気屋やPCショップにはよく行くがそんなもの

売っていたかな? 


残念ながら“時代の流れを読めずに、早すぎた販売”

であったのであろうか。

(注:レストランなどにあるタッチトーンスクリーンでなくiPadのように一般用

の携帯PCとしての発売であった。)



この注目を一気に浴びているiPadであるが、私はこの流れがPC市場

を変えると思っている。 ちょうどラップトップが市場に出回りデスクトップから

PCの主流市場を奪い取ったように、今度はiPad(とその類似製品)

がラップトップ市場を奪い取る日が何年後かにはくると思う。

学校では学生がiPadのみを持ち通学。その中にはダウンロードした

Eブックバージョンの教科書が入っていて、それを見ながら授業を受けて

iPadでノートをとる。オフィスで働いている人もiPadのみを持ち通勤。 

自分の机に置き、会社のシステムにアクセスして仕事をする。 

もちろん会議などでもiPadを持ち込み、

それを使いプレゼン、ノート記述をする。


そして、更に言うなら、その“携帯型PC”のサイズが段々と小さくなり最後

は携帯電話とくっついてしまい、従来の携帯電話の市場まで

奪ってしまうのではと思う。 

まあ、これは、上記のラップトップ市場が奪われてしまった後の話

になるであろうが、新しいバージョンが、何度が発売され持ち運ぶのに

丁度良いサイズになってきたら次は

「PCと携帯を持つのが不便」とiPadと携帯電話が合体してしまうと思う。 

おそらくアップルなりソフトバンクあたりなんかそんな市場戦略

をすでに描いているのではないだろうか。



そしてその後は、「手で操作するのもめんどくさい」とまるでSF映画にでてくる

脳波認識操作や音声認識操作など、手を使わずに人間の脳や声

を利用してPC(その時代には他の名称になっているだろうが)

を操作するという日がくるであろう。



今回、発売されたiPadはそんな未来への橋渡しの第一歩

のような気がしてならない。



# by boeing747taka | 2010-04-05 21:42 | 番外編:コクピットから見る世界
日本いじめを再開したアメリカ


かつてアメリカには「ジャパン・バッシング」という言葉があった。

アメリカの政治家が日本に対して主に行っていたもので、

最初にこの言葉を聞き始めたのは私がアメリカに行く1990年頃

より前の80年代だったような気がする。 

当時のアメリカはレーガン政権の下、不況脱出に懸命であった。 

しかし品質・性能が良い日本製がアメリカで売れて貿易摩擦

が生じ政治家が“選挙戦の道具”としてジャパン・バッシング

が使われていた。自分が日本人だからと日本製をひいきする訳

ではないが、80年代、90年代の日本製とアメリカ製の違いは

比べ物にならないくらいの差があったと思う。 

確かに市場を開放しない日本に不満が行くのはわかるが、

電気製品や車を見ると一目瞭然である。 

仮に当時、日本がもっと市場を開放したって燃費が悪くすぐ壊れる車

や電気製品を誰が買ったのであろうか。 

あの頃の報道で売れる日本製品のせいで職を失った人

が日本製の車やラジオをハンマーで壊している風景を今でも覚えている。



最近になり、アメリカが弱っている日本(経済力が落ちている日本)

をここぞとばかりたたき始めたような気がする。 

それはもう政治摩擦というより弱っている者をいじめているかのように。



まず、最近の大きなニュースとしてアメリカで販売されているトヨタ車

の問題である。 ここで詳しい車の説明は控えるが、アメリカ政府

が訴えているトヨタの問題はトヨタのみに限った事なのであろうか。 

どうみてもアメリカ政府の“いやがらせ”にしか見えないのは私だけ

であろうか。 それを言うならオーストラリア国内で売られている

Holden(ホルデン:もともとはオーストラリア国産の車会社として

1856年にスタートしたが、1931年にアメリカ、GMの傘下

に入り最近では、ホルデン純正の車よりGM系列の会社

(日本のスズキやいすゞも含む)のパーツを使い組み立て、

名前を変えて販売している。 オーストラリア国内のV6系のレース

などにて人気車があり一部の若者に人気があるものの、

オーストラリア人でさえ避ける人がいるくらい品質が悪い。

しかし値段はそれなりに高い。)はどうなると言いたくなる。 

この問題に日本政府はどれだけトヨタを後ろで支えているのであろうか。



次に飛び込んできたニュースはカリフォルニアにある日本人

が経営する高級レストランにて現在、ここオーストラリアでも大きな

問題になっている鯨を売ったという事で経営者が逮捕されたという

ニュースである。(驚く事にオーストラリアでは大きなニュース

として扱われてはいなかった。) 確かにアメリカでは鯨は絶滅種

として保護する海洋哺乳類保護法があり売買を禁止されているが、

この話、この情報が警察に伝わった方法がすごい。ついこの間、

アメリカアカデミー賞を受賞した和歌山県の太地町の入り江にて

イルカの捕獲をまるで日本人が残虐な人種かのように撮影した

ドキュメンタリー映画「ザ・コーブ」のスタッフの友人からの情報

を受けて、そのスタッフが実際にその店に行き、物的証拠を得て

ロサンゼルス連邦刑事局にたれながしたらしい。 

確かに鯨の肉を食べない英語圏の国の人間からすると

日本の捕鯨問題は大きな問題であろう。 

そして、それを駆り立てるようにその映画「ザ・コーブ」

が脚光を浴びている。 しかし、この映画、ドキュメンタリー

として見て見たいという興味はあるが、アカデミー賞を受賞するほど

の映画なのであろうか。この映画スタッフのバックに誰がついている

のかは知らないが、アメリカの政治家の名前がでてきても驚きはしない。

映画の賞の受賞といいこのレストランの経営者の逮捕といい、

みごとなまでの日本人いじめである。


そして最後に聞いたニュースがアメリカの議員が日本への牛肉輸入規制

の全面解除を訴えているというニュースである。 

ずいぶんも前にBSEが発生したアメリカの肉を、

現在は生後30ヶ月以下のもののみ輸入してよいと定めている。 

これを、“そろそろ”解禁してほしいというのである。 


この規制、せっかく一度は日本政府が認めても抜き打ちの検査

でひっかかり再度、規制しているというアメリカ側のいい加減さも

でている。そんな中、解禁を要求しているのだが、

これも“うまいタイミング”で言ってきているなと思う。 


アメリカ政府はトヨタで叩き、鯨で蹴飛ばし、牛肉でとどめ

をさそうとでもしているのであろうか。

この要求を日本政府が蹴れば(当然、蹴るであろう)

なんらかしらの“おかえし”が来るにちがいない。 


そもそもこれらのアメリカ政府の動きは、政権交代し、

以前ほどアメリカに歩み寄ろうとしない鳩山政権への“おどし”

にも見えてしかたがない。 

今の日本政府、アメリカを敵に回せるほど力はない。

何より国際政治とは必ずどこかの国ときちんとした国交

がないとやっていけない。 


はたして日本政府や日本企業はこれからどう生き抜いていく

のであろうか。 最近の日本を外から見ていると、

おちぶれて弱くなった者が周りから急にケンカ

を売られているかのように見えてしかたがない。



# by boeing747taka | 2010-03-19 21:43 | 番外編:コクピットから見る世界