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激安航空券が安い訳


オーストラリアにお住まいの日本人ならJet Star

と言えば誰でも知っている激安航空会社であろう。

通常日本行きの往復便がAUD$1500ほどするのが、

タイミングよく買うとなんとAUD$400ほどで買えて

しまうのである。 


最近日本でもこの手の激安航空会社は話題を呼んでいる。 

Air Asiaなどが日本に就航し、“ありえない値段”

で東南アジアへ行けてしまう。

アメリカやヨーロッパではこの手の激安航空会社

はだいぶ前から就航していた。

確かに普段の値段から半分以下で買い物

ができてしまうので、消費者にとってはうれしい話

かもしれないが、私は、この手の激安航空会社

はいつも避けていた。 


理由は「怖い」からである。 

航空券である、半額の電気製品を買うのとは

訳が違う。 店頭に並んでいる商品が通常より

安く売っているに“訳”がある事くらいは、

経済に詳しくなくても誰でもわかる事であろう。

その値段でもビジネスが運営できるように“何か”

を削っているのである。 


Jet Starなどの激安航空会社は機内食や毛布など

を有料にしたり、発着料の安い空港を選んだり

と経費削減に力を入れているが、航空会社が経費

を削るのに真っ先に取り組んでいるのが、

なんと安全に大きな関わりがある

“整備(メインテナンス)”に関わるコスト削減である。


アメリカやヨーロッパの国内線を運行していた

激安航空会社で、墜落事故を起こし、後に政府から

業務停止命令を受けたりした会社のほとんどが、

規定に反するほどの整備コスト削減を行っていた。



アメリカから日本に乗り入れている航空会社

の1つにNorth West(ノースウエスト)航空がある。

この会社は激安航空会社ではないが、

他のアメリカの航空会社に比べてチケットが若干安い。

ただのマーケティング戦略からくるものではない事

が彼らの整備に対する姿勢によく現れている。 



飛行機に少々詳しい人ならご存知であろうが、

ボーイング747などのジェットエンジン搭載の旅客機

は着陸後、エンジンを逆噴射したりフラップ

を利用したりしてブレーキをしているが、

約70%から80%のブレーキの力は車と同じよう

にタイヤを止めてのブレーキである。

その為、多くの航空会社では約50回の着陸

でタイヤの交換を行っているそうだが、

なんとこのノースウエストはその回数を越えても

まだ同じタイヤを利用しているという。

日本政府も危ないと警告を発するも、航空業界

では大きく力が劣っている日米の間で、

日本の言う事なんかおかまいなしのようである。


そのせいであろうか、ノースウエストはブレーキ

やタイヤの問題で成田発の出発時間が遅れる

とうことが度々あるように思える。 

私も何度かこの被害にあっている。 

ブレーキの故障が見つかったとかで、修理をする為

に飛行機の中で5時間待たされたあげく、

フライトはキャンセルで次の日に変更

というのがあった。

まさに「安かろ、悪かろ」とはこの事であろう。



だから、激安航空会社は「何かなければラッキー、

何かあれば最悪」というまるで白か黒かの

ギャンブルのように、私は感じる。


一番の良い例が何かしらの理由でフライト

がキャンセルされた際の対応であろう。 

その際の激安航空会社の対応は最悪である。 

でも、「安いからこんなものだ」と職員もろくに

相手にはしない。



そして、Jet Starに関して言うなら日本発

のオーストラリア便には少々の不安を感じる。

というのも、通常、フライトクルーはその便の機長

を中心にブリーフィングと呼ばれる簡単なミーティング

を行う。この中で“最新の天気・気象情報”

を元にフライト航路を確認するのだが、

なんとJet Starは成田空港でオフィスを持っていない

為であろうか、乗客がいるロビーでそれをやっていた。


この“オフィスを持っていない”事に関しては

その航空会社やその国の政府との関係

もあるので、ここでは特に取り上げないが、

問題はその“天気・気象情報”である。


オフィスがないとなると、当然、機長が手

にしているプリントアウトされた情報は“最新”

のものではない。もちろん気象情報はフライト中

に管制塔から新しいものは手に入れる事ができるが、

自分で保有している方が当然良い。


客席にいると気づかないであろうが、

飛行機というのは、悪天候を避けるために

上に下に、右へ左へと迂回しながら飛行

するのであり、地図上に引いた真っ直ぐ

の線上を飛べばよいというものではない。

そして失礼な話になるが、Jet Starなどの

激安航空会社のパイロットの給料

は大手航空会社のものより当然低い。

そうなると腕の良いパイロットや経験豊富

なパイロットは大手航空会社に行き、

そうでないパイロットや経験の薄い駆け出し

のパイロットが残る。

激安航空会社だってもちろん社内訓練

というのはするが“経費削減”を掲げている

会社が大手ほどの訓練に経費を費やしているか

は疑問である。

“もっと経験や訓練が必要な人“にそれが

なされていないとなると、

やはり「何かなければラッキー、何かあれば最悪」

と少々、不安を感じてまう。


もちろん、激安航空会社に対しての考え方

は人それぞれであると思う。

だからここでどの航空会社に乗るべきとか

乗らないべきとは言わない。

しかし、物を購入する際に、通常より安いもの

があれば、必ずそれには“安い訳”がある事

を頭に入れておいても悪くはないと思う。



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by boeing747taka | 2011-03-25 20:15 | 番外編:コクピットから見る世界