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iPad, キンドル, mini note 山手線ゲーム


ふ~・・・ まったくこの1年もの間、こんなアホなマインドゲーム

をしていたとは・・・・  わくわく楽しくもあったが、今思い起こせば無駄

な時間を過ごしたような気もする。 

でも、ある意味“クリスマスプレゼントを選ぶ子供”に戻ったような気分

で楽しかったのも確かな事である。  


話は1年ほど前にさかのぼる。ある日、いつものように朝、出勤するため

にブリスベン市のど真ん中を走るクイーンストリートを歩いているとアマゾン

(オンライン書店)で売られている、あの“キンドル(Kindle)”を手にして

"読みながら“歩いている人を見た。 私はすぐさま、その男の真横に

”わざとらしく“同じ方向を歩くふりをして彼が手にしている

”大人のおもちゃ“を見ていた。スクリーンこそ白黒であるが、

それはまるで普通の紙の本を読んでいるような画面であった。 

うわさには聞いていたが初めて実物を見た。 

とても薄く軽そうであったしバスの中で読むには最適なディバイス

であると思った。 さっそくオフィスに着くとPCをオンにしてアマゾン

のサイトにてキンドルの情報を検索した。 

下記のものがキンドルに関しての主な私の批評である。


* 種類は2種類ある、サイズとメモリー数が違うもの。
* 安い方はUS$259(AUS$290から330、その日のレートによる)
* そして2010年後半、2nd ジェネレーションが$139.00
と$189.00(3G)にて発売された。


良い点:
* 安い方は、ミニノートより安く、ミニノートよりコンパクトである。
* アメリカから取り寄せなければならないファイナンスの専門書
が3分の1の値段で電子図書として買える。
* アメリカの新聞、雑誌の電子版が月$4くらいから$30で読める。
* PCでも購入した電子図書が読める。
* PDFも読める。

悪い点:
* PCではないので、Wordの編集やエクセル、インターネットが使えない。
(モデルによっては、一部のサイトが閲覧可能)
* 購入できるのは英語の本のみ、現在は日本語の本は購入不可。
しかもここオーストラリアと著作権の交渉が成立しているもののみ。
(違法なダウンロードはのぞく)よって、一部のビジネス、ファイナンス
の専門書やウォールストリートジャーナルなどはオーストラリアで読めない。


一度は購入しかけたが、あれこれ考えているうちに

「では、ミニノートではどうか?」

というアイディアが浮上してきた。 

そう思った瞬間、適当な理由をつけてオフィス

を飛び出し、オーストラリア大手電気店、JB Hi-FiとHarvey Norman

(ハービーノーマン)へと向かった。 

下記のものが私のミニノートに対する批評である。

* 値段は約$350から約$800、メーカーや機種による。
* スクリーンサイズは10インチだが、12インチ、15インチなどミニ
ではないが約$600で買えるラップトップもある。


良い点:
* キンドルとは違い、PCである。ネットもエクセルも使える。
* バスの中でMixiやブログの原稿を書ける。

悪い点:
* キンドルに比べて重い。
* 安いだけあってデザインと品質が悪い。何年持つのかという不安がある。


休憩時間に再度、電気店に足を運んだり、会社に送られてくるPC関連

のパンフレットを見たり、ネットであれこれ検索したり、

心の奥底にキンドルの事が潜在しつつも気分はミニノート

でのりのりであった。 


そんな矢先、ついにあの話題作、iPadがアメリカで発売さた。

iPadはiPhoneやiTouchを大きくしたようなものではあるが、

スクリーンに必要に応じてキーボードもでるため、

私は“ラップトップ”の部類に入るものと思っていたが、業界、

少なくとも私の世界、投資の世界ではiPadを電子図書端末

として見ているようである。アナリストのレポートを見ても株価

の変動を見比べる為にアマゾンやバーンズアンドノベル

(Barnes & Noble)(注:アメリカの大手書店である。

キンドルに対抗する為、Nook(ノック)という類似品を発売している。

しかし、私が主に必要とするファイナンスや投資の専門書

がアマゾン、キンドル版より量が少なく高かったので私の選択リスト

からすぐさま外れてしまった。 しかし、このNook、この端末を持って

書店に行くと店内でしか読めないものもあるらしく購入者の心

をくすぐる企画もある。 ただ残念ながらこの書店はアメリカ国内

にしかない。)と比べておりアナリストの分析もiPadの発売により

アマゾンやバーンズアンドノベルの株価にどれだけ影響するかなど

を発表している。 私はてっきりDellやソニー、HPなどのラップトップ

の売り上げ量と比べるのかと思っていたが。

 “時代を先行くラップトップ”がどれだけ従来のPCの売り上げ量

を落としたかと。 そしてこのiPad、ごらんの通り、予想通り

に大きな話題となりiPadを販売する電気店、この端末で使える

アプリケーションを作成する会社などの株価も“iPad騒動”

に便乗し一時期ではるが、好調であった。 

そしてその世間で沸騰している時代の流れも、私の選択リストの審査

に大きな影響を与えるのには十分であった。 

売れすぎたアメリカ、本土市場の影響で日本やここ、オーストラリア

の発売が遅れるというニュースにもめげず、

iPadは私の選択リストに名前を刻んでいた。

下記のものが私のiPadに対する批評である。


良い点:
* 世間でどう扱われようとPCである、ネットやエクセルもできる。
* 本体は“平たい板”なので、ミニノートよりコンパクトであり、
バスの中で更に使いやすそうである。

悪い点:
* オーストラリアでは一番安いものが約$630とミニノート
より少々高めである。
* キンドルより大きく、重たい。
* あたりまえだが、OSがマックである。 私はマックが嫌いである。
(これは「以前、働いていた会社のせいである」このジョーク(気持ち)
が分かるのは“そこにいた友人”のみであろう(大笑))


こうして“役者”がそろった瞬間、今回のメインテーマである

“山手線ゲーム”が私の頭の中で、それも、とても早いスピードで始まった。 


思い起こせば今年の初め頃であったか、キンドルを“歩き読み”

している人を見て、「俺もほしい! バスの中でPDFなどを読みたい!」

という思いから始まった。 


ここでまず確認しておきたいのは、今回の購買騒動はあくまで

“バスの中でPDFや電子図書を読みたい”というのがメインであって、

ワイヤレスでネットをするとか、ましては喫茶店でかっこよくコーヒー

を飲みながらPCでちょいとお仕事なんていうのは、

私のライフスタイルにない。 家でも仕事場でも年がら年じゅう

PCの前にいる私のライフスタイルにワイヤレスなんぞ必要もない。

仕事が終われば帰宅するか友人と飲みに行くかの単純パターンである。 

下記の思考パターンが私を1年間悩ませた“山手線ゲーム”である。



プロローグ: ある日、キンドルを歩き読みする男を発見。 
子供のように「俺もほしい!」と購買欲がわく。


その1:キンドルがほしい。値段も良い。しかし、もうちょっと出せばミニノートが買える。
そして、エクセルやネット(必要ではないがあって支障はない)もできる。


その2:ミニノートもいいね。PC版のソフトをインストールすれば
アマゾンの電子図書が読める。


その3:iPad発売のニュースを見る。 ミニノートよりもう少しだせば
あの話題の端末が買える。 iPadを買って時代を先取ろう!


その4:まったアップル製品はいつも初回バージョンより2nd
ジェネレーションの方が良いから次のバージョンが出るまで待った方
が良いのでは。それに、ただがバスの中の本読みに$600以上も出すとは・・・


その5: やっぱり安いキンドルにしよう。



こうして、出発してから終点駅のない山手線ゲームが始まってしまい、

その1の選択肢が始まったかと思えば2,3,4,5ときて

その1の振り出しに戻る。 この思考ゲームが私の頭の中でぐるぐると、

それはまるでF1レース用の車に搭載されているエンジン

のスピードのように速く回っていた。 


キンドル<ミニノート<iPad<キンドル 


この言葉をぐるぐる追い回すようにパンフレットをひっかき回し、

ネットで検索しまくり。 どこでどう、終止符を打てば良いのか

わからなくなった。 というより別にその必要性を感じなく、

単純にクリスマスプレゼントを選ぶ子供に戻ったような

気分であったのも確かである。



そして、上記の山手線ゲームが何億回、頭の中で回ったか

は分からないが、数ヶ月前、日本のニュースで、

日本のアマゾンもついに日本語書籍の電子図書を扱う

と発表があった。 このニュースは、迷いに迷いまくっている

私の頭の回転に終止符を打ってくれる最高のニュースであった。

私は英語も日本語の本もよく読むので、Kindleにより両方の書籍

が読めるとなれば、もうKindleを買うしかないと思った。

ネットがこれだけ発達している今日、アメリカでしか使えないKindle、

日本でしか使えないKindleなんてしょうもないビジネス戦略

をするなんてSonyくらいなものであろう。 


(注:私はSonyの製品の質の良さは認めるが彼らのビジネススタイル

は大きな疑問である。質の良い製品を短く使わせ、

新しいのを買わせるスタイル。そして、国が違えば新しいの

をご購入くださいというスタイル。 ありえない。

SonyのReaderはそうなっている。オーストラリアで購入した

Readerは日本で使えないらしい。)

それを確認するために、日本のアマゾンに質問してみた。 

すると次のような答えが返ってきた。

「日本のアマゾンはアメリカのとは違い独自で運営されています。

キンドルはアメリカのアマゾンの商品なのでアメリカ側にお聞きください。」



そして、その指示に従い、その旨をアメリカ側に質問した。

すると次のような答えが返ってきた。


「我々アメリカ側はそのようなニュース(日本語の電子図書の発売)

は聞いておりません。どうぞ、日本側にお問い合わせください。」



みごとは“たらいまわり連携プレー”である。

当たり前だが、ここで、Kindleを購入しようという購買欲は一気に失せた。

じゃあの日本語の電子図書を扱うというニュースは誰

が言い出したのであろうか?



こうして、1年に渡る山手線ゲームは終了した。

今では、Kidleやミニノート、iPadの宣伝なんぞ見ても、

どうとも思わない。 



そして、通勤の際は図書館で借りた本を読んでいる・・・・・ 

いったいなんだったのだろうか2010年という年は・・・・・




PS.

添付してある写真はそれぞれの端末のサイズを見比べる為

に紙で作成したものです。

白い箇所がスクリーン、緑の箇所が本体のサイズ。




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by boeing747taka | 2011-01-01 16:49 | 暴院具レポート