インド人を殴るオーストラリア人


先週、私用でメルボルン(オーストラリア)へ

1週間ほど行ってきた。 私が住んでいるブリスベンから

飛行機で約2時間の位置である。 オーストラリアの

“南側に位置するから”ブリスベンより気温が寒い街である。

(この北が暖かく、南が寒いという地理感覚は5年住んでいる

現在でも不慣れである) 


ヨーロッパからの移民が多いせいか建物などもヨーロッパ

風のものが多く、ブリスベンとは違った雰囲気の街であった。 


シドニーやブリスベンと比べて観光客らしき人は少ないように

思えたが、留学生や移民した人の数はシドニーやブリスベン

よりたくさんいたように思う。 



そんな国際色豊かな街に到着したら、街はすごい暴動が起きていた。 

最近、インド人への迫害が激しくなっていて、オーストラリア人

の言葉で言う“カレーバッシング”と称してインド人を迫害している。 

その人種差別による治安悪化に不満を持ったインド人学生

がオーストラリア人やオーストラリア警察に対して抗議

していたのである。 メルボルンではここ最近、

インド人をターゲットとした人種差別的な暴行や車を燃やすなど

住居に対するいやがらせが相次いでいた。 

これに対しインド人学生は立ち上がったのである。 

警察にそのむねを訴えても何もしてくれなかったそうだ。 

まるでどこかの国の警察と同じである。(苦笑) 


このニュースは私がメルボルンにいる間、連日のようにTV

で放映されていた。 実際に街中でデモを行っている

インド人学生も見たし、“警察がかまってくれないなら、

自己防衛する”と電車の駅を多くの学生がパトロール

している姿も見た。 その暴動はエスカレートしてシドニー

にまで発展していった。 

国籍・人種が違うとはいえ、同じ移民として彼らの言い分

は痛いほど分かるような気がする。 


確かにオーストラリアは歴史を見ると、

世界に例が少ない“政府が主導の白人主義”というのを行っていた。 

しかし、近年のオーストラリア人の人種差別はそれが原因ではなく、

時代背景であろう。 近年、2001年、ニューヨーク

で起きた同時多発テロ後、アメリカへの移民やビザの申請

が異常に厳しくなった。その影響を受けてアメリカでなく

オーストラリアへ移民する人の数が極端に増えた。

(私もその一人ではあるが)インド人と中国人の増加率は

他の国や人種に比べて著しいものがあるのは、

オーストラリアに住んでいる人なら一目瞭然であろう。 


そこで疑問なのが、なぜ中国人でなくインド人なのであろう。

(まあ、中国人へのバッシングが始まれば同じアジア人として

区別がつかず、とばっちり被害を受けるのは我々日本人

や韓国、台湾人であろう。) 



確かに、オーストラリア人に“インド人”という言葉

を使うとすぐに、態度が極端に、ひどするぎるコールセンター

をあげる人が多いと思う。 

しかし、それ“以上に”又は“同様に”中国人の態度

やマナーだってひどく、オーストラリア人がよく苦情

を言うのを聞く。 おかげで、アジア人の区別がつかない人

が「アジア人のマナーはひどすぎる。 列をならばないし、

店員の態度は悪いし。」なんて“全てが、

中国人がやっている事”をあげて“アジア人”と言っている。 

他のアジア人は本当にいい迷惑である。 


アメリカ人が、人口が急激に増えているラテン系

を差別するのと同様に、オーストラリア人も急激

に増えているインド人を差別しているのであろう。 


更にアジアとオーストラリアの関係を見てみると、

まず近年の北京オリンピックがあるし、経済を見ると、

オーストラリアの主要産業である炭鉱関連のビジネス

の世界第一位と第二の取引国は日本と中国である。 


それに、この国に住み始めて驚いたのだが、

アメリカ人に比べてはるかに多くの学生が日本語を勉強していて、

公立学校でも日本語クラスがあるほどである。 


若いオーストラリア人ならば、日本というと、

任天堂のゲームやスカイラインなどの日本車はもとより、

おそらく北海道のスキーツアーを挙げる人もいるであろう。 


もちろん、アジア人に対しての差別もあるのは現状であるが、

それと同様に少なからずしともプラスのイメージがあるのであろう。 


それに比べてインド関連でオーストラリア生活に結びついている

ものは、レストラン以外に何かあるのであろうか? 


やはり、オーストラリア人にとってインド人はアジア人以上に

“よくわからない存在“になってしまっているのであろうか。 


私個人的な意見としては、中国人よりインド人の方

が好感を持てるので、残念な話ではある。 


そして、そのメルボルン、シドニーでのインド人学生

の暴動を受けて、オーストラリア国内のインド人学生連盟

のスポークスマンやオーストラリア国内で開業している

インド人医師らがTVでインタビューに答えていた。 


彼の言葉で印象に残ったのが「確かに、人種差別でこんな事件

が起きるのは残念な事ではるが、同時に、

インド人もオーストラリア文化になじむ必要がある」と答えていた。 


とても興味深い言葉である。 


海外に3年ほど住んだ事がある人ならわかる話であろうが、

どうしても海を渡った最初の頃は、自分の国の人達との

時間が現地の人と一緒にいる時間より長くなってしまう。 

そのまま、ずるずると”壁“から抜け抜け出せず結局、

現地の人とあまり知り合いになれず帰国してしまったなんて

人も多いであろう。 これは何もインド人のみならず、

どこの国の人だってやっている事である。 

しかし、このインタビューに出ていた人達は、

私が上記に記したような事を言っているのであろうか。 


それを象徴するとは言い切れないであろうが、

結婚をしている夫婦やカップルを見ると、

アジア人とオーストラリア人というペアは良く見るが、

インド人とオーストラリア人というペアはめったに

見ないような気がする。 


(まあ、この件については、今回のトピックからはずれるので、

深い論議はしない。)



この事件を受けて豪州首相のラッド氏は、

「事件の背景に人種差別があるわけではない、オーストラリア

は留学生にとって世界で1番安全な国だ」という声明を発表している。


これは、少々、無理がある言葉のように思える。 

確かにまだ、安全な国ではあるであろう。 


しかし、人種差別のコメントには大きな疑問である。 

おまけに、TVの報道では、警察まで同様なコメントを発表し、

更なるパトロールを強化するとあったが、

“その時”に“その場所”に私はいたが、

メルボルンのダウンタウンでデモをするインド人学生

や自己防衛の為に見回りをしているインド人学生は見かけたが、

パトロールを強化している警察官を駅や歩道で見かけなかったの

はなぜであろうか。(笑) こんな事件がおこっているのに、

警察官を見たのは、ドーナッツの、テイクアウトの店の前だけ

であった。 やはりオーストラリアの警察官の態度は

“うわべ”だけにしか見えないのは私だけであろうか。


オーストラリア政府と警察の対応は、

まるで「白人以外の事件は、よそでやってくれ」

とでも言わんばかりの態度に見えてしょうがない。 



[PR]
by boeing747taka | 2009-06-12 20:56 | ありえねぇオージーニュース